反社チェックを行うべき対象とは?チェックが必要な理由と実施方法を解説
徹底した反社会的勢力排除が企業に求められる今、反社チェックは欠かすことのできないフローになりました。
しかし、反社チェックという言葉は聞いたことがあるけれど、具体的に誰をどうやって調査すればいいのかは知らない方も多いのではないでしょうか。
今回の記事では、反社チェックが必要な理由を解説し、反社チェックを行うべき対象とチェックの実施方法についても紹介していきます。
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👉反社チェックは義務なのか?反社会的勢力に関わる法令やチェックの方法を解説
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目次[非表示]
- 1.反社チェックとは?
- 1.1.反社会的勢力の定義
- 1.2.反社チェックが必要な理由
- 1.2.1.行政機関からの勧告や処分の対象になる
- 1.2.2.信用の失墜や企業存続が困難になるのを防ぐ
- 1.2.3.不当な要求や犯罪に巻き込まれるなどのリスクがある
- 2.反社チェックを行うべき3つの対象
- 2.1.取引先の企業・代表者
- 2.2.自社の社員・役員
- 2.3.株主
- 3.反社チェックのやり方
- 3.1.インターネットや新聞を調査する
- 3.2.専門の調査機関へ調査を依頼する
- 3.3.反社チェックツールを利用する
- 3.4.警察や暴追センターに相談する
- 4.反社チェックツールが選ばれる理由
- 4.1.反社チェックを効率よく行える
- 4.2.人的ミスを低減できる
- 4.3.情報の信用度が高い
- 5.まとめ
反社チェックとは?
反社チェックとは、取引先や自社の従業員、株主などが反社会的勢力と関わりがないかを調査することです。
別名では「コンプライアンスチェック」とも呼ばれていて、近年反社会的勢力を排除することが重視されるようになり、取引を行う際は欠かせないものになっています。
反社会的勢力の定義
反社会的勢力は「暴力、威力と詐欺的手法を駆使して経済的利益を追求する集団又は個人」として位置づけられています。
反社会的勢力と聞くと暴力団のイメージが強いですが、暴力団以外にも反社会的勢力に含まれる団体や人物は多数存在します。
以下がその例です。
- 暴力団、暴力団員
- 準暴力団、暴力団準構成員
- 暴力団関係企業(フロント企業)
- 総会屋
- 社会運動など標榜ゴロ
- 特殊知能暴力集団など
また、平成19年に政府から出された指針では、反社会的勢力について以下のように定義されています。
暴力、威力と詐欺的手法を駆使して経済的利益を追求する集団又は個人である「反社会的勢力」をとらえるに際しては、暴力団、暴力団関係企業、総会屋、社会運動標ぼうゴロ、政治活動標ぼうゴロ、特殊知能暴力集団等といった属性要件に着目するとともに、暴力的な要求行為、法的な責任を超えた不当な要求といった行為要件にも着目することが重要である。
参考:法務省「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」
関連記事:反社会的勢力とはなにか?定義や調べ方など具体的な対策を解説
反社チェックが必要な理由
反社会的勢力と取引を行うと、相手に違法な活動をするための資金を提供してしまうことにつながります。
反社会的勢力排除の動きが強まる中で、社会への溶け込み方も巧妙化し、一見普通に企業活動を行っているということも少なくありません。
反社会的勢力かどうか見極めることが容易でなはくなっていることから、精度を上げて反社チェックを行い、徹底して反社会的勢力と関わりを持たないことが重要になります。
反社チェックを行うべき理由を3つ紹介します。
行政機関からの勧告や処分の対象になる
反社会的勢力と関わりを持つことは、行政が定める条例などに違反するケースがあり、条例などに違反すると行政機関から勧告や処分を受けることがあります。
例として、各都道府県で施行されている「暴力団排除条例」に違反した場合、罰則として「1年以下の懲役又は50万円以下の罰金」や「5万円以下の過料」などが課される恐れがあります。
他にも、企業の代表などが管理者としての責任を問われ、処分や罰則が課される場合もあります。
関連記事:反社チェックは義務なのか?反社会的勢力に関わる法令やチェックの方法を解説
信用の失墜や企業存続が困難になるのを防ぐ
相手が反社会的勢力と知りながら取引をした場合はもちろんですが、チェックを怠った結果取引をしてしまった場合でも、その勢力と繋がりのある企業と判断され、重大なコンプライアンス違反になります。
世間からの信用が失墜するだけでなく、顧客離れ、株主離れが発生し、倒産してしまうケースもあります。
また、銀行から融資を受けている企業の場合は融資停止、上場前の企業の場合は上場廃止などのリスクもあるので、安全な企業活動を行うためには、反社チェックは欠かせません。
不当な要求や犯罪に巻き込まれるなどのリスクがある
反社会的勢力や関連する企業などと取引をしてしまうと、相手方から不当な要求をされる恐れもあります。
「反社会的勢力と関係があることを公表する」などと脅迫や恐喝が行われたり、金銭などの不当要求をされたりするなど、会社だけではなく従業員にも被害が及ぶリスクがあります。
もしこういった脅迫などの被害にあった場合は、早急に弁護士に相談しましょう。
反社チェックを行うべき3つの対象
反社チェックを行うべき対象者は、取引先だけではありません。
チェックすべき対象を3つに分けて解説します。
取引先の企業・代表者
取引先の反社チェックを行う際は、企業自体だけでなく、取引先企業の代表者や取締役員などもチェックしておくのが良いでしょう。
取引を開始してしまうと、反社チェックの結果次第で取引を中止することは容易にできるものではないので、新規取引先の場合は取引を開始する前に反社チェックを行うのがベストです。
また、既存の取引先についても、年に1度など定期的にチェックを行うことが推奨されます。
自社の社員・役員
自社の従業員も反社チェックを行うべき対象で、社員や役員はもちろんですが、アルバイト社員やパート社員も対象になります。
学生や新卒の面接者なら反社会的勢力と関わっている可能性は低いと考えられがちですが、現代はSNSが発達し、学生と暴力団がつながっているケースも存在し、実際に強盗事件や傷害事件、給付金詐欺などに学生が絡んでいる事件も発生しています。
社員の反社チェックを行う際は、基本的には採用選考中、内定を出すまでに行うのが良いでしょう。
また、役員の場合は、役員就任が決定する前もしくは就任前までにはチェックを行うことがおすすめです。
株主
自社の株主も反社チェックを行うべき対象になります。
株主を増やす際や変更する際に確認を行うのが一般的で、個人だけでなく法人や組織もチェックするのが良いです。
また、法人や組織の場合は取引先と同じく、代表者や役員、大株主や顧問税理士などに対してもチェックを行うことを推奨します。
関連記事:反社チェックはどこまで行うべきか 実施対象・方法を解説
反社チェックのやり方
反社チェックを行う方法は主に以下の4つの方法があります。
- インターネットや新聞を調査する
- 専門の調査機関へ調査を依頼する
- 反社チェックツールを利用する
-
警察や暴追センターに相談する
方法によって得られる情報の精度や情報量、調査にかかる費用も違いがあるので、詳しく解説します。
インターネットや新聞を調査する
一番手軽に始められる方法で、自社でインターネットや新聞記事を検索して調査します。
Google検索や新聞記事のデータベースなどを利用して調査するため、データベースの利用料などが発生することもありますが、基本的にはコストを最低限に抑えることができます。
ただし、インターネットも新聞も、検索したときに膨大な量の情報が出てきます。
これは良いところである反面、反社チェック時に余計な情報までヒットしてしまうことが難点です。
チェックに必要な情報を人的に選別し、情報をまとめる必要があるため、手間と時間がかかってしまうでしょう。
関連記事:反社チェックをGoogle検索で行う方法とは?調査範囲や進め方について解説
専門の調査機関へ調査を依頼する
専門の調査機関は、幅広く、精度の高い情報を得ることができるので、自社での調査が不安な場合は依頼を検討するとよいでしょう。
この方法の難点はかなり高額なコストがかかってしまうことです。
調査対象の数が多い場合は費用がかさむため、他の方法で調査を行い、より詳しい情報が必要な場合などに依頼をするケースが多いです。
反社チェックツールを利用する
反社チェックツールは、反社チェックを自動で行えるツールで、反社チェックに特化しているため、検索時に必要な情報だけを絞りこむことができます。
反社チェックツールはいくつか種類があり、それぞれ機能や検索時に使用しているデータベースも異なるので、自社にあったツールを試してみるとよいでしょう。
警察や暴追センターに相談する
警察や各都道府県に設置されている暴追センター(暴力追放運動推進センター)で、反社会的勢力について相談することができます。
警察には専門のデータベースが存在し、インターネットなどでは得られない情報を確認できるケースもあります。
もし何か揉め事や脅迫などの被害にあった場合も相談可能で、今後の対応や相手とのやり取りなどについてもアドバイスをもらうことができるでしょう。
関連記事:反社会的勢力に対応するためのガイドライン 反社チェックの基準とは?
反社チェックツールが選ばれる理由
反社チェックツールは反社チェックを効率よく、かつ正確に行える方法です。
具体的な理由を解説します。
反社チェックを効率よく行える
反社チェックを効率よく行えるポイントとして、一括検索の機能や、チェックの履歴を保存できる機能などが挙げられます。
チェックの効率化に適した機能は様々ありますが、どの機能を搭載しているかはツールによっても異なるので、チェック対象者の数や、調査をしたい精度などに合わせてツールを選ぶとよいでしょう。
人的ミスを低減できる
反社チェックツールを使うメリットとして大きいのが、人的ミスを減らせることでしょう。
インターネット検索で調査する場合は、情報量が多いうえにすべて目視での作業になるため、チェック漏れや見逃しが発生する恐れがあります。
反社チェックツールを利用すれば、必要な情報だけを絞り込んで検索できたり、検索した履歴を保存することができたり、人的作業で行う部分をツールが担ってくれたりと、人的なミスをかなり低減できるでしょう。
情報の信用度が高い
ほとんどの反社チェックツールはWEBニュース記事や新聞記事、雑誌記事など多くの情報源をもとに情報を収集されているため、情報の信用度が高いことがツールが選ばれる理由の1つです。
せっかく反社チェックを行っても、信頼できる情報でなければ意味がありません。
無料トライアルが試せるツールもあるので、検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
反社会的勢力という言葉だけは知っていたという方からすると、思っていたよりも幅広い意味を持っていると感じたのではないでしょうか。
反社チェックを行うべき対象は、取引先だけでなく、取引先の代表や役員、自社の従業員・役員、株主も含まれます。
また、反社チェックを行う方法は様々あるので、自社に合った方法を選んで、怠ることなく反社チェックを実施してください。
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