反社チェックを自動化する方法はある?ツールの機能や注意点を解説
反社チェックが必須となっている現代において、いかに業務負担を減らして効率化できるかということが大切になってきます。
また、取引前や採用前に行う必要があるため、チェックのスピード感が重要になることも少なくないでしょう。
この記事では、反社チェックを自動化する方法や、反社チェックツールの機能、自動化する際の注意点などについて解説します。
【参考】より深く知るための『オススメ』コラム
注意すべき相手をすぐに発見できる反社リストを検索
目次[非表示]
- 1.そもそも反社チェックとは
- 1.1.反社チェックが必要な理由
- 1.1.1.コンプライアンス維持のため
- 1.1.2.企業価値を下げないため
- 1.1.3.反社会的勢力の資金源とならないため
- 1.1.4.不当な要求を防ぐため
- 2.反社チェックを自動化する反社チェックツール
- 2.1.反社チェックツールの基本機能
- 2.1.1.証跡の保存
- 2.1.2.情報の絞込み
- 2.1.3.取引先管理ツールとの連携
- 2.1.4.一括調査
- 2.2.自動化できる工程とできない工程がある
- 2.3.反社チェックを自動化するメリット
- 3.反社チェックを自動化する前に確認すべきこと
- 3.1.現在の業務の流れ
- 3.2.チェックにどれくらいの時間がかかっているか
- 3.3.反社チェックの調査範囲
- 4.反社チェックを自動化する際の注意点
- 4.1.定期的にチェックを行う
- 4.2.情報漏えいリスクとプライバシー保護の対策
- 4.3.最終判断は人間が行う
- 5.反社チェックツールRISK EYESが選ばれる理由
- 5.1.業界唯一の生年検索機能がある
- 5.2.API連携が可能
- 5.3.上場実績がある
- 5.4.独自の反社データベースがある
- 6.まとめ
▶とりあえずダウンロード!【独自で収集した反社リストについてもっと知る】
そもそも反社チェックとは
反社チェックとは、チェック対象者が「反社会的勢力ではないか」「反社会的勢力と関与がないか」をチェックすることです。
反社と聞くと暴力団を想像する方が多いですが、政府指針では反社会的勢力は「暴力、威力と詐欺的手法を駆使して経済的利益を追求する集団又は個人」と定義されており、より広い認識を持つことが大切です。
参考:法務省「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針について」
反社チェックを行うべき対象は従業員、株主、取引先など、自社と関わるすべての人と考えるのが良いです。
必ず、内定を出す前、契約を締結する前など事前に反社チェックを行いましょう。
関連記事:【2024年最新】反社チェック・コンプライアンスチェックの具体的な方法とは?
反社チェックが必要な理由
現代において反社チェックは必須項目とされており、上場を目指す企業では約9割が反社チェックを実施しています。
また、営業職の4割以上が、「反社チェックを行った結果、ネガティブな情報が発見され、取引不可と判断された経験がある」と回答したアンケート結果もあります。
では、なぜ反社チェックが必要なのか、その理由を4つ解説します。
コンプライアンス維持のため
反社チェックの実施は、企業のコンプライアンスを遵守するうえで、必要不可欠です。
反社排除に関する政府指針が発表されているほか、各自治体からは暴力団排除条例が出されており、企業はそれらを遵守する社会的責任もあります。
また、反社会的勢力と関与することで、コンプライアンス違反になるような行動を求められてしまったり、従業員が反社だった場合は本人が問題を起こしたりする恐れもあります。
反社会的勢力と関わらないような取り組みを行い、コンプライアンスを維持・向上させることが大切です。
関連記事:個人事業主への反社チェック・コンプライアンスチェックを実施する必要性について解説
企業価値を下げないため
反社会的勢力との繋がりが世間に露見した場合、顧客や取引先だけでなく、社会全体からの信頼を失うことになります。
商品やサービスが魅力的でも、信用が失墜し企業価値が低下してしまうと、顧客離れや株主離れは避けられません。
また、反社会的勢力との繋がりが発覚すると、行政処分や罰則の対象となる可能性があります。
事業を行えなくなってしまう恐れがあるほか、経営に影響した結果、倒産に至るケースも存在します。
反社会的勢力と関わらない努力が、企業価値の維持・向上にもつながるという認識を持っておくとよいでしょう。
反社会的勢力の資金源とならないため
取引先が反社会的勢力だった場合、取引によって生まれた利益が反社活動の資金源となってしまう可能性があります。
相手が反社会的勢力であると把握しておらず、知らないうちに犯罪を助長してしまっているというケースも存在します。
このような「巻き込まれ」を防止することも、反社チェックを行う目的の1つです。
また、既存の取引先が気づかぬうちに反社会的勢力に買収され、監査役などで反社会的勢力が送り込まれてくるケースも増加しているため、注意が必要です。
既存の取引先に対しても、定期的にチェックを行うようにしましょう。
関連記事:反社会的勢力に該当する人物の家族・親族との取引や雇用は可能なのか?
不当な要求を防ぐため
反社会的勢力との取引を行ってしまうと、「関係を公表する」などの恐喝や脅迫をされたり、不当な要求をされたりするトラブルが実際に発生しています。
また、契約解除の際にも、賠償金などとして金銭を要求されるケースも珍しくありません。
このような被害は企業だけでなく、従業員が危険にさらされる可能性もあるため、注意が必要です。
関連記事:【弁護士解説】反社排除における企業リスク 反社チェックを行うべき7つのポイント
反社チェックを自動化する反社チェックツール
反社チェックはインターネット検索や与信調査、登記情報調査など手作業で行うこともできますが、かなりの時間と人的工数がかかってしまいます。
企業規模が拡大し、従業員や取引先が増加すれば、手作業によって調査を行うのが困難になっていきます。
しかし、反社チェックは企業防衛のために継続的に実施すべきです。
そこで、反社チェックを自動化し、手間やコストを減らしてルーティーンワークの一部とすることが必要になるでしょう。
反社チェックを自動化する方法として有効なのが、反社チェックツールの導入です。
反社チェックツールはその名の通り反社チェックに特化したツールで、チェックを効率よく行い、かつ精度を向上させるさまざまな機能が備わっています。
反社チェックツールによって自動化できる範囲についても解説します。
関連記事:反社チェックをGoogle検索で行う方法とは?調査範囲や進め方について解説
反社チェックツールの基本機能
反社チェックツールはいくつかの企業から販売されており、ツールによって搭載されている機能が異なります。
その中でも、基本的に備えられている機能を4つ紹介します。
証跡の保存
ツールを使用して反社チェックを行いネガティブな記事がヒットした際に、記事情報を証跡としてツールもしくは外部ストレージなどに保存できる機能です。
新聞記事やWEBニュースなどは、時間がたつと削除されてしまう可能性があるため、証跡として保存しておくことが非常に重要です。
情報の絞込み
反社チェックに特化していると言える最大の理由が、情報の絞り込みができることです。
反社会的勢力に関する記事や逮捕歴、不祥事、不正行為などのネガティブな情報だけを、絞り込んで結果として表示することができます。
また、重要度や情報ソースごとにフィルタリングもできるため、効率よくチェックを実施できます。
関連記事:反社会的勢力の実名リストはある?指定暴力団や関係企業の確認方法
取引先管理ツールとの連携
CRM(Customer Relationship Management=顧客関係管理)やSFA(営業支援システム・ツール)など、取引先を管理しているツールと連携させられる機能です。
反社チェックを行う際に、1から取引先情報などを登録する手間を省くことができます。
一括調査
複数の取引先や従業員をまとめて一括で検索できる機能です。
ワンクリックで、大量の反社チェックを行うことができるため、チェックの効率化に非常に有効です。
関連記事:反社チェックに日経テレコンは活用できるのか?メリット・デメリットを解説
自動化できる工程とできない工程がある
反社チェックツールを導入すれば、作業量を大幅に減少させることができ、情報の保管もほとんど自動で行えます。
しかし、すべての反社チェック作業を完全に自動化できるわけではありません。
反社会的勢力の疑いがある対象者の詳細調査や、調査結果からの法的な判断などは、人間による作業が必要です。
また新規取引先の場合は調査対象者の登録や、精度を上げるための検索キーワードのカスタマイズなど、利用開始前には人的な作業が発生します。
反社チェックを自動化するメリット
反社チェックを自動化する最大のメリットは、チェックに割く時間を大幅に削減し、反社チェック業務を飛躍的に効率化できるという点です。
また、人的な作業を減らすことができるため、ミスによる精度の低下も防ぐことができます。
関連記事:採用時に反社チェックが欠かせない理由とは?企業側のリスクと注意点も解説
反社チェックを自動化する前に確認すべきこと
反社チェックを自動化する前には、以下の3点を確認しておきましょう。
現在の業務の流れ
反社チェックを自動化するにあたって、現在はどのような流れで反社チェック業務を行っているのかを確認する必要があります。
業務の流れを把握することで、自動化できる部分はどこなのかを検討することができます。
この確認作業を飛ばしてしまうと、必要な作業ステップが抜け落ちてしまう可能性があるため、丁寧な確認が必要です。
関連記事:反社会的勢力に関する法律はある?各業界の対策と反社との取引を回避する方法も解説
チェックにどれくらいの時間がかかっているか
現状の反社チェック業務において、担当者はどれくらいの時間がかかっているのかという部分も確認が必要です。
多くの時間を要している作業を自動化することで、より効果が期待できるでしょう。
また、この確認をしておくことで、自動化後にどれだけの効果が出たのかということも実感しやすくなります。
反社チェックの調査範囲
反社チェックの調査範囲についても確認が必要です。
例えば、インターネットの情報や裁判情報、官報、SNSの書き込みなど、調査範囲はさまざまあります。
どの調査範囲を自動化するかということを判断するために、この確認が大切と言えます。
関連記事:反社チェックはどこまで行うべきか 実施対象・方法を解説
反社チェックを自動化する際の注意点
反社チェックは自動化したからと言って、完璧だということではありません。
反社チェックを自動化する際に注意すべきポイントを3つ解説します。
定期的にチェックを行う
取引開始時、採用時には問題がなくても、のちに相手が反社会的勢力と関係を持つリスクは常に存在します。
そのため最初の1度だけでなく、定期的に状況を確認することが重要です。
定期的な反社チェックを怠ってしまうと、相手が反社会的勢力に関与した場合、そのリスクを見逃して予期せぬ損害が発生したり、企業側の管理責任が問われたりする可能性があります。
定期チェックを自動化できる機能が搭載されている反社チェックツールもあるため、ツールの選定基準にしてみるとよいでしょう。
関連記事:反社チェックを行うべき頻度は?定期的なチェックが大切な理由
情報漏えいリスクとプライバシー保護の対策
反社チェックツールによって自動化を行う場合、個人情報や企業情報の漏えいリスクが伴います。
特に、企業のデータ管理体制が十分でない場合、プライバシー侵害や情報漏えいが発生しやすく、企業の信用失墜や顧客離れに陥りかねません。
導入前には必ずツールのプライバシーポリシーを確認し、自社の情報管理体制との整合性も確認することが大切です。
最終判断は人間が行う
反社チェックツールは大量の情報を短時間で収集し、業務の効率化に大きく貢献します。
しかし、ツールが提供する情報は常に最新で正確であるとは限りません。
誤情報や古い情報が含まれているほか、さらに詳細な調査が必要なケースも珍しくありません。
無関係な企業や人物を反社会的勢力だと誤認してしまうと、貴重なビジネスチャンスを逃してしまう可能性があります。
反対に、リスクがある企業をきちんと調査せずに見逃してしまうと、重大な判断ミスとなることもあります。
反社会的勢力自体が曖昧で巧妙化している存在であるため、曖昧な部分を明確に判断するという観点からも、人の目によるダブルチェックが必要です。
関連記事:反社チェックに引っかかるケースとは?チェックが必要な理由と対策を解説
反社チェックツールRISK EYESが選ばれる理由
反社チェックツールRISK EYESには、他のツールにはない業界唯一の機能も搭載されています。
RISK EYESが選ばれる理由を4つ紹介します。
業界唯一の生年検索機能がある
RISK EYESには、「生年期間」での絞り込み検索ができる機能があります。
同姓同名の情報がヒットして判断に迷った際には、年齢を参考にして絞込みをすることができます。
これは業界唯一(当社調べ/2023年12月時点)の機能で、他のツールでは利用できません。
その他にも、記事にラベリングされた「懸念度」での絞込みができる機能や、ほぼ完全一致での検索を実現できる「除外ワードの自動抽出」機能などが搭載されており、チェックすべき記事を効率的に厳選できます。
API連携が可能
RISK EYESは、顧客管理や購買管理、与信管理システムなど、取引先を管理しているシステムに反社チェック機能を連携できます。
記事数表示のAPIのほか、ALS連携機能によって反社チェックの結果を確認もできます。
開発用アカウントや実装イメージの提供も可能ですので、自社のシステムとの連携を試してみるとよいでしょう。
上場実績がある
実際にRISK EYESを利用して上場した企業が50社以上あります。
上場申請時には「反社改定勢力との関係がないことを示す確認書」の提出が義務付けられており、自社に関係する人物や企業の情報を提供する必要があります。
提出した企業や人物については、東京証券取引所(東証)の独自調査で反社チェックが行われます。
反社チェックツールとして販売されているものの中でも、上場実績がないツールは少なくありません。
RISK EYESは上場実績があり、東証の基準をクリアしているため、安心して利用できます。
独自の反社データベースがある
RISK EYESでは、2015年以降の反社関連の報道情報を独自に収集しており、記事が削除されているなどの状況に左右されずに結果を確認できます。
個人情報保護法に準拠し、反社会的勢力排除の取り組みを義務付けられている金融・保険事業者も活用しているデータを自社の反社チェックに組み込むことができます。
まとめ
この記事では、反社チェックの自動化について解説してきました。
反社チェックツールを導入することで、業務にかかる時間を大幅に削減し、効率化できます。
ただし、完全に自動化することは難しく、適切な判断を行うためには人間によるダブルチェックが必要です。
反社チェックツールはそれぞれのツールによって搭載されている機能も異なるため、自社に合ったツールを検討するとよいでしょう。
関連記事:反社チェックに関するルールはある?チェックのタイミングや社内の対応手順も解説
関連記事:反社会的勢力の見極め方&企業へ近づく手口とは