反社チェックのネガティブ情報発見時の対処法とは
反社チェックを行っていると、ネガティブな情報がヒットしてしまうことがあります。
その際、どういった行動を取ったほうが良いかを事前に知っておくことで、慌てることなく対処することができます。
今回は同姓同名の個人や同名企業ヒット時の確認の仕方や、実際にネガティブ情報がヒットしてしまったときの対処法について解説します。
【参考】より深く知るための『オススメ』コラム
【実務担当者】反社チェックの契約可否の判断に迷った事例
目次[非表示]
- 1.反社チェックで同姓同名の個人がヒットしてしまったときの確認方法
- 1.1.経歴を確認する
- 1.2.生年月日を確認する
- 1.3.印鑑証明書を請求する
- 2.反社チェックで同名企業がヒットしてしまったときの確認方法
- 2.1.ホームページを確認する
- 2.2.法人番号を確認する
- 2.3.印鑑証明書を請求する
- 3.ネガティブ情報がヒットしてしまったときの対処法
- 4.まとめ
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反社チェックで同姓同名の個人がヒットしてしまったときの確認方法
反社チェックを行っていると、同姓同名の人物が引っかかってしまう場合があります。
その際、反社チェックを行った人物とヒットした情報の人物が、同一人物なのか判断しなければなりません。
間違った判断をしてしまえば、せっかくの取引機会を逃してしまうので、慎重にチェックが必要です。
同一人物かを確認する方法として
- 経歴を確認する
- 生年月日を確認する
- 印鑑証明書を請求する
以上3点の確認方法を用いることができます。
【ワンポイントアドバイス】
一般的な反社チェックで用いられる「公知情報」には「○○容疑者(27)」などと年齢が表記されている場合があります。
事件当時○歳なら現在は何歳かを割り出すことで同一人物か判断することができます。
しかし、誕生日によって1~2歳の差異が発生する場合があるので注意していきましょう。
経歴を確認する
法人の代表者を確認したい場合、ネット検索でヒットする可能性が多いです。代表者の経歴や年齢が記載されているページがないか確認するとよいでしょう。
例えば、コーポレートサイトの役員紹介やインタビュー記事、名刺情報を掲載しているページ等です。
情報が見つかれば、その情報とネガティブ情報を照らし合わせましょう。
年齢や住所、経歴を確認し、同一人物か判断します。
生年月日を確認する
単刀直入に生年月日を確認することも一つの手です。
しかし、聞き方が悪いと契約を断るときに言いがかりをつけられるなどの可能性もあるので、トラブルを回避するために「契約審査に必要なため」とオブラートに包んで確認することをオススメ致します。
印鑑証明書を請求する
契約によっては、より正確な情報を要することもあるでしょう。
その際には、印鑑証明書の提出を請求する方法があります。
しかし、印鑑証明書の発行には手数料がかかるため、相手への配慮が必要となるため、なぜ必要なのかなど伝えるなど、コミュニケーションの取り方に注意しましょう。
印鑑証明書で得られる情報は下記になります。
- 印影
- 住所
- 生年月日
- 発行年月日
どうしても正確に確認したい場合には印鑑証明書がおすすめです。
反社チェックで同名企業がヒットしてしまったときの確認方法
法人の場合でもネガティブな情報があった企業との同一性を確認が必要です。
この時、個人の場合と比べ、広めに情報を取得することで判断に役立てることができます。
- ホームページを確認する
- 法人番号を確認する
- 印鑑証明書を請求する
以上の3つから確認することができます。
ホームページを確認する
ホームページを確認すれば、会社情報が記載されていることがほとんどなのでその情報から同一性を確認することができます。
主に確認することは以下になります。
- 創業年月日
- 代表者名
- 会社所在地
- 電話番号
出てきたネガティブ情報と照らし合わせて確認し、判断をしていきましょう。
※当社では創業年月日が違うかどうかで確認するようにしています。
法人番号を確認する
法人番号とは法人と一部団体に対し発行されている、国税庁が指定する13桁の識別番号のことです。
国税庁の法人番号公式サイトで、名称や所在地などから簡単に調べることができます。
印鑑証明書を請求する
インターネット上の検索でも出てこない場合は印鑑証明書を請求するのが有効です。
所在地などの情報が取得できるので、同一性の判断に役立つはずです。
以下、取得できる情報です。
- 印影
- 本店所在地
- 商号
- 代表者の役職名
- 代表者の氏名
- 代表者の生年月日
- 発行年月日
ネガティブ情報がヒットしてしまったときの対処法
ヒットするネガティブ情報によって対応が変わってきます。
大きく分けると2つのパターンが存在します。
反社会的勢力に関するネガティブ情報が出てきた場合
反社会的勢力に関する疑いが出てきた場合は、迷わず警察や都道府県の暴力追放運動推進センターへの相談が必要となります。
警察に相談すれば当事者の氏名・生年月日・ヒットした情報を伝えると保持するデータベースと照合してもらえるはずです。
反社会的勢力以外のネガティブ情報が出てきた場合
反社会的勢力にかかわる情報以外の個人情報は警察も提供してくれません。
そのため、取引予定先に対して、ヒットしたネガティブ情報に関与していないことの言質を取る必要があります。
正式な書面で言質をとれるのがベストですが、メールで1文「関与していない」とエビデンスを取っておくことで、取引締結前に最大限できることを行った証明となります。
それでも不安な場合は、契約書の暴力団排除条項にプラスして、「重大な犯罪に関する基礎や有罪判決を受けている場合も解約条項に該当する」旨を記載しておくことをオススメ致します。
また、契約後のモニタリングを実施することも有効な対応になります。
定期的な反社チェックを行ったり、支払いが滞るなどの不審な動きがあったら即契約解除できるように、入り口だけでなく継続的なチェック・管理を行いましょう。
関連記事:密接交際者の基準とリスク 反社会的勢力の関係者にならないために知っておくべきこと
まとめ
ここまで反社チェックのネガティブ情報発生時の対処法について解説してきました。
リスク排除だけでなく、取引機会を逃さないためにも、個人・法人を問わず、同一性の確認を行うことをフローに組み込み、判断していくことが大事です。
その後にしかるべき対応を取るためにも、やるべきことを事前に決定しておく必要があります。
現在の反社チェックフローが問題ないか、改めて確認してみてはいかがでしょうか。
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