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反社会的勢力排除条項(暴力団排除条項)とは?契約書に定めるべき理由と条項について解説

「反社会的勢力排除条項(暴力団排除条項)という言葉を良く聞くけれど、どのような対応を企業は求められているのだろうか」と気になっていませんか。

反社会的勢力排除条項(暴力団排除条項)を契約書に盛り込み、反社会的勢力を取引から排除し、コンプライアンス遵守することが企業に推奨されています。

自社が反社会的勢力と取引をした結果、コンプライアンス違反により世間からバッシングを浴び、取引から締め出されるなどの損失を背負うことになるためです。

この記事では反社会的勢力排除条項(暴力団排除条項)を契約書に盛り込むべき理由について解説します。

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目次[非表示]

  1. 1.反社会的勢力排除条項(暴力団排除条項)とは
    1. 1.1.反社会的勢力とは
    2. 1.2.反社会的勢力排除条項と暴力団排除条例の関係とは
  2. 2.契約書に反社会的勢力排除条項(暴力団排除条項)を定めるべき理由
    1. 2.1.コンプライアンスを徹底するため
    2. 2.2.反社会的勢力からの不当要求回避のため
    3. 2.3.社会的責任(CSR)を果たすため
    4. 2.4.自社が反社会的勢力排除条項に違反しないため
  3. 3.反社会的勢力排除条項(暴力団排除条項)の例文とポイント
    1. 3.1.反社会的勢力の定義と反社会的勢力に該当しないことの表明・確約
    2. 3.2.反社会的勢力と密接な関係性を有しないことの表明・確約
    3. 3.3.暴力的な要求行為等をしないことの確約
    4. 3.4.違反時の契約解除
    5. 3.5.違反時の損害賠償
  4. 4.まとめ

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反社会的勢力排除条項(暴力団排除条項)とは

反社会的勢力排除条項(暴力団排除条項)の例文とポイント

反社会的勢力排除条項(暴力団排除条項)は契約締結する際、取引先と自社が反社会的勢力と無関係であると確認し、暴力的な要求をしないと保証するために契約書に定める条項です。

この条項は、自社と取引先が反社会的勢力との一切の関係を断つことを義務付け、脅迫や暴力などを使用する暴力的な要求を禁止します。

相手方が反社会的勢力との関係性ありと判明したら即座に契約解除できるように定めることで、契約関係が成立した後でも契約解除を即座に行うことが可能です。

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反社会的勢力とは

反社会的勢力とは、暴力や脅迫、詐欺等の手法を用いて、経済的利益を追求する組織や個人のことを指します。

暴力団が代表的存在ですが半グレ等、暴力団以外の存在もあり、以下の存在を含めて反社会的勢力と呼称されます。

  • 暴力団
  • 暴力団員
  • 暴力団員ではなくなった日から5年間を経過しない者
  • 暴力団準構成員
  • 総会屋
  • 社会運動標ぼうゴロ
  • 特殊知能暴力集団

暴力団以外に総会屋や、社会運動の形式を装って企業に対して暴力的かつ不当な要求を行う団体や個人も反社会的勢力であると判断されることがあります。
例えば企業の新工場建設に伴う周囲への影響を盾にした事例があります。

反社会的勢力が企業に対し、工場新設で騒音問題が発生したとして、お詫び代の代わりに反社の息がかかった清掃業者を新工場に優先的に入れさせろと言ってくるようなことがあります。

直接金銭的な要求をすると恐喝で警察に逮捕される可能性があるため、取引の形を装った要求をしてきます。

純粋に地域住民が構成する市民団体が騒音被害を訴えているケースは問題ありませんが団体の中に暴力団や元暴力団員が混じっているケースや、暴力的な言動を使い要求を達成しようとする相手のケースでは安易な取引要求に応じるべきではありません。

市民団体風であったとしても取りまとめている人物が反社だというケースもあります。
反社会的勢力の共通点は暴力や圧力等の脅威をもって本来は支払義務のないお金や企業側の過失に対し法定限度を超えた金銭を要求してくるという性質があります。

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反社会的勢力排除条項と暴力団排除条例の関係とは

反社会的勢力排除条項と暴力団排除条例の関係性を理解するため政府の企業暴排指針を知りましょう。
政府の企業暴排指針は考え方であり法律ではありません。

政府の企業暴排指針は取引から反社会的勢力の謝絶を企業に対して要求したものです。
政府は企業暴排指針の考え方に準ずるよう各都道府県に反社会的勢力排除の推進を委ねました。

暴力団排除条例とは、各都道府県が、企業暴排指針を実行するにあたり最低限すべき事項を定めた条例です。
条例によって努力義務として取引する際、暴力団排除条項を契約書に入れるように要求しています。

反社会的勢力排除条項を定めることは努力義務であり、法的に必ず対応する必要性はありません。しかし、仮に自社が努力義務を果たさず反社会的勢力と取引した場合は法令違反となり、ステークホルダーに締め出されるような大きなリスクを抱えます。

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契約書に反社会的勢力排除条項(暴力団排除条項)を定めるべき理由

契約書に反社会的勢力排除条項(暴力団排除条項)を定めるべき理由

「一体、なぜこのように契約書に厳しく定める必要性があるのだろうか」と気になりませんか?
契約書に反社会的勢力排除条項を定めるべき理由は以下の通りです。

  • コンプライアンスを徹底するため
  • 反社会的勢力からの不当要求回避のため
  • 社会的責任(CSR)を果たすため
  • 自社が反社会的勢力排除条項に違反しないため

それぞれについて解説します。

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コンプライアンスを徹底するため

コンプライアンスを徹底するため反社会的勢力排除条項を契約書に定める必要性があります。
なぜなら、自社がコンプライアンス違反をすれば経営上大きなダメージを受けるためです。

反社会的勢力との取引で自社のイメージが下がれば一気に世間の信用を失います。
信用を失えば株価の下落や、取引から締め出される等マイナスの影響を受けることになります。

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反社会的勢力からの不当要求回避のため

反社会的勢力と取引をすると不当要求を受けることがあります。
なぜなら、反社会的勢力と取引をすると、取引自体がコンプライアンス違反となり問題視されるためです。

例えば反社会的勢力と取引をすると企業は反社会的勢力から「立派な企業なのに反社と取引があるとバレたら大変だね」等の脅しを受けます。

上記のような状況に巻き込まれないようにするためにも最初の1回目の取引をしないように、反社会的勢力を取引から排除することが重要なのです。

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社会的責任(CSR)を果たすため

反社会的勢力を取引から排除することは、企業の社会的責任(CSR)を果たす上で大切です。
なぜなら、社会的責任(CSR)とは、企業が経済的成功のみならず、社会に対する影響にも配慮することが目的だからです。

反社会的勢力との交流や取引は資金提供をすることにつながり社会に悪い影響を与えることになります。
企業が社会的責任を果たすためには、反社会的勢力との交流を避け排除することが大切です。

反社会的勢力との交流や取引を避けることで、不正や犯罪を助長することはしないという企業の姿勢を示すことができます。

さらに、反社会的勢力排除は、企業の信用やブランドイメージを高められます。
企業が社会的責任を果たす上で反社会的勢力排除は大切な取り組みです。

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自社が反社会的勢力排除条項に違反しないため

自社が反社会的勢力排除条項に違反しないよう契約書に反社会的勢力排除条項を定めておく必要性があります。

反社会的勢力排除条項は自社と取引先双方が反社会的勢力と関係を有しない状態を保証する内容となります。
仮に自社が反社会的勢力と取引すると、自社が契約解除など不利益を受けることになります。

取引先と自社の双方が健全な状態を保つことを約束するためにも契約書に条項を定めることが必要です。

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反社会的勢力排除条項(暴力団排除条項)の例文とポイント

反社会的勢力排除条項(暴力団排除条項)の例文とポイント

反社会的勢力排除条項を契約書に定めるための例文とポイントを解説していきます。

反社会的勢力の定義と反社会的勢力に該当しないことの表明・確約

現在または将来にわたり反社会的勢力と自社相手方が関係性を有しない状態を表明し確約する例文は以下の通りです。

契約当事者である双方は各自が相手方に対し、自身または自身の役員が、本契約の締結時に、暴力団、暴力団員、暴力団関係企業、総会屋、社会運動標ぼうゴロ、政治運動標ぼうゴロ、特殊知能暴力集団に該当しないことを表明し、今後も該当しないことを確約する。

具体的に対象を定め契約書に反映しましょう。

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反社会的勢力と密接な関係性を有しないことの表明・確約

反社会的勢力と現在密接な関りがなく将来にも関係がない状態でいることをお互いに表明し確約する必要性があります。

例文は以下の通りです。

契約当事者である双方は、相手方に対し、自身また自身の役員が本契約締結時において以下の各項に該当しないことを表明し、今後も該当しないことを保証する。

  1. 反社会的勢力に自社の経営が支配されていること
  2. 反社会的勢力に自社が実質的に支配されていること
  3. 自己または自社や第三者の不正な利益を得るため、または第三者に損害を加えるために反社会的勢力を利用していること
  4. 反社会的勢力に資金を提供していないこと。また恩恵を与える等の関与をしていること
  5. 自社の役員または経営に実質的な関与をしている者が、反社会的勢力と社会において批判されるべき関係を有していること

対象との関係を現在に限らず今後も有しない状態を約束することが必要です。

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暴力的な要求行為等をしないことの確約

反社会的な行為を行う団体や属性だけに注目するのではなく実質的な行為も禁止しましょう。

双方契約当事者は、自ら又は第三者を利用して相手方に次の各号に定める行為を行わないことを確約する。

  1. 暴力的要求行為
  2. 法的責任を超える不当要求行為
  3. 取引に関して脅迫的な言動をし、又は暴力を用いる行為
  4. 偽計又は威力を用いて相手方の業務を妨害し、信用を毀損する行為

反社会的な行為を行う取引先との関係を絶てるようにしましょう。

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違反時の契約解除

取引先が反社会的な勢力であると分かった場合、即座に契約を解けることが大切です。
発覚時に自社が取引先と即座に契約を解けなければ、自社が反社会的勢力の関係者とみなされます。
以下が例文です。

契約当事者である双方は、相手方が当契約の表明に違反した場合、催告なく直ちに本契約を解除できる

予告なく契約を解除できるように定めましょう。

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違反時の損害賠償

違反時の損害賠償は違約金を定めるケースと定めないケースがあります。
以下が損害賠償を定める例文です。

本契約当事者は、本契約条項に違反したときは、相手方が被った損害を賠償する責を負うものとする。

以下が損害賠償を定めない例文です。

本契約当事者は、本契約条項に違反したときは、相手方が被った損害を賠償する責を負わないものとする

違反時の賠償をどのように扱うか必ず記載しましょう。

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まとめ

今回は、反社会的勢力排除条項(暴力団排除条項)について解説しました。

暴力団排除条項を契約書に定めることは企業がコンプライアンスを遵守し、社会的責任を果たす上で重要です。
また、特に本文中でも解説した反社会的勢力と契約するリスクに注目してください。

反社会的勢力と関係性を持ってしまうと株主や取引先などのステークホルダーから排除されます。
コンプライアンス違反としてバッシングされるのみならず株価下落、市場から信頼を失い倒産等を余儀なくされるケースもあります。

反社会的勢力を取引から排除し、自社の価値を高めるためにも契約書に反社会的勢力排除条項(暴力団排除条項)を記載しましょう。

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佐々木 雄輝
佐々木 雄輝
2022年にソーシャルワイヤー株式会社に入社。 反社チェックサービス『RISK EYES』のマーケティング施策の企画立案を担当。
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