安心して取引先するために、企業調査・リスク管理を見直そう 今から始める反社チェック
22年3月24日(木)に、企業間集金/代金回収・請求業務代行サービス「請求まるなげロボ」を提供する株式会社ROBOT PAYMENTと、与信管理業務を効率化させるクラウドサービス「アラームボックス」を提供するアラームボックス株式会社と合同で開催するセミナーに登壇いたしました。
安心して取引を行っていくために「どのようなリスク管理方法があるのか」を知り、「自社に一番合ったリスク回避法」をお話した本セミナー。
「まだ企業審査の際に反社チェックを取り入れていない」というご担当者様向けに、反社チェックパートで対談した内容をお届けします。
【参考】より深く知るための『オススメ』コラム
【初心者必見】反社チェックのやり方・業務フローまとめ
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反社チェックとは?どのようなときにチェックする?
近年、企業審査として、与信チェックと反社チェックはセットでやるべき、と考えられるようになってきています。
反社チェックとは、自社に関わる従業員・株主・取引先・仕入れ先、あらゆる人物や企業が反社会的勢力に関与してないかをチェックし、『企業が反社へ資金を渡してしまう』という事態を防ぐことです。
反社会的勢力の弱体化には、活動資金を渡さないのが一番。反社チェックとは『企業からの資金流出を断とう!』という反社排除対策のひとつです。
実は暴力団排除条例が全国に施行されており、企業は反社会的勢力に利益供与してはいけないと定められています。
そうでなくても、コンプライアンス順守していないと、すぐにSNSで炎上してしまう時代。
世間では、反社会的勢力と付き合う=コンプライアンス違反と捉えられます。
先日、ラーメン屋を営んでいる元AKBグループの梅澤愛優香さんが「反社会的勢力と関係がある」と中傷を受け、提訴されていました。
取引先からは、「梅澤さんが反社とは関係がない、とはっきりしなければ仕事はできない」と契約を保留され、予定していた新規出店ができなくなったそうです。
いくら梅澤さんが「反社との関係は全くない」といっても、ないものを証明はできないですよね。煙が立つこと自体が経営へ打撃を与えてしまうので、とにかく「反社のハの字も出さない」ことが重要です。
※企業の危機管理としては、真偽問わず、反社性を帯びている関係が露呈しそうになった場合に、いかにメディアに取り上げられないようにするか、世間に報道される前にどのように対処するのかが重要になります。
<参考記事>
ただ、そうはいっても、どこから反社会的勢力が入り込むかは予想できません。
そのため、企業審査のひとつとして与信チェックと一緒に反社チェックすることで、『入口でブロックしましょう』というのが企業が行う反社排除対策としてのスタンダードなやり方です。
反社排除対策をしなかったときに実際に起こったトラブルとは
皆さんの記憶に強烈に残っている事例として、3年前に起こった吉本興業の闇営業問題を上げさせていただきます。
芸人が反社から資金を受け取ってしまっていたということで大問題になりました。社長の会見では、反社チェックが形式にとどまり機能していなかったことが語られ、「コンプライアンス意識が低過ぎる」と批判を浴びていました。
つまり、反社会的勢力の排除が徹底できていない=コンプライアンス意識が低いと叩かれる要因になるということです。
2つ目の事例として、毎年50億円の売上をあげていた安定した会社が、『社長が反社との「密接交際者」にあたる』と警察より公表があった2週間後に倒産したという報道がありました。
社長は相手に対し、「定期的に食事をするメンバーの1人だったが反社だとは知らなかった」そうです。
また、倒産後、この企業の元従業員は、再就職したくても書類審査がなかなか通らない事態に陥っているとのこと。いくら「社長の食事仲間が反社だった」「会社は健全だった」といっても、「反社と付き合っていた会社の元従業員」のレッテルが外れないのです。
『反社と付き合う』ということのは、従業員を路頭に迷わせることでもあります。貸し倒れと同じくらい、会社や従業員に損害を与えることだと認識を強めてください。
関連記事:事例でみる反社 企業リスクを回避するには
反社チェックを今から始めたいときどうすればいいか?
調査会社に依頼して数万円のコストをかける方法から、反社チェック専用ツールを使う方法まで、いくつか方法があります。
まだ何もやってない企業であれば、Google検索から始めてください。
Google検索時のポイント:ネガティブワードを掛け合わせる
普通に取引先を検索すると、ページが膨大に出てきてしまう時があります。
オススメのやり方としては、検索したいワードに、反社・暴力団・逮捕・起訴・容疑など、ネガティブなワードを掛け合わせての検索です。
ネガティブなワードが含まれるページに絞り込まれるので、確認したい情報にアクセスしやすくなります。
Google検索時のポイント:法人名・代表者名を検索
法人名だけではなく、代表者名も検索してみてください。別名義の会社で問題起こしていた、といったこともあります。
Google検索時のポイント:反社チェックの結果を残す
ここが一番重要ですが、反社チェックをした結果を残してください。残した結果がなにか起こった際の『保険』になります。
企業審査したのに、実は相手が反社と関与していた!」ということが起こったときに、「企業審査をしっかりやってたんです」と証明できるか否かで、その後の第三者からの印象が大きく変わります。
反社チェックは、チェックすることも重要ですが、結果を残すことも重要です。
反社チェック専用ツールを使うメリット
専用ツールを使うメリットとしては、「工数削減」と「一律のチェックができること」です。
反社チェックの結果を残す工数の削減
反社チェックツールを提供している各社、さまざまな特長がありますが、各社共通していえることは「反社チェックをした結果を残す」作業が各段に楽になるところです。
「反社チェックの結果を残す」といいましたが、Google検索だと検索履歴が残りませんよね。
いつ・誰が・どんな検索条件で検索して、どんな結果を見て、どんな判断をしたのか?
Google検索の場合、これらを手動で残さなければいけません。また、何か起こったときにすぐに結果を提出できる状態にしておかないと「保険」の意味がありません。
図右上にありますが、弊社がGoogle検索していたころは、結果を残す作業で下記を実施していました。
- Excelで取引先台帳をつける
- 共有フォルダに反社チェックフォルダを作る
- あいうえお順のフォルダを作る
- 取引先名フォルダを作る
- 結果を保存する
反社チェック専用ツールを使うと、どのサービスでも自動で検索履歴が残ります。
もしもの「保険」になる、一律のやり方で行う反社チェック
Google検索は自由に検索できるかわりに、検索している人のさじ加減でチェックできてしまいます。
リスクが発生したときの「保険」として反社チェックをしているのに、いざ問題が起こったときに企業審査のやり方として第三者が納得できない手法でチェックしていると意味がないということです。
専用ツールを使えば一律のやり方で反社チェックすることができ、ミスや不正の監視・抑止ができます。
関連記事:IPO準備にはなぜ反社チェック(コンプライアンスチェック)が必要なのか?上場基準の反社会的勢力排除の体制づくりについて解説
まとめ 企業審査に反社チェックを取り入れよう
企業間取引時に、与信チェックを行うことは当たり前になってきましたが、反社チェックも実施しないと、貸し倒れと同じくらい会社や従業員に損害を与えることだとご認識いただけたかと思います。
もし、はじめから反社チェック専用ツールの導入が難しければ、まずはGoogle検索からでも大丈夫です。企業審査のひとつに「反社チェック」を取り入れていただければと思います。
関連記事:企業を守る反社チェックとは 知っておくべき概要と具体的なやり方
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