
雇用契約書と労働条件通知書の違いとは?必須項目や2024年法改正に伴う変更点について解説
雇用契約書と労働条件通知書は、どちらも労働関係において欠かせない文書ですが、その役割や内容には違いがあります。
この記事では、雇用契約書と労働条件通知書の違いについて詳しく解説し、必須項目やそれぞれの特徴を明確にします。
また、2024年度の法改正に伴う変更点についても触れ、企業が対応すべきポイントを整理します。
労働者と企業の双方が安心して働くための基盤となるこれらの文書について、最新の情報を提供します。
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目次[非表示]
- 1.雇用契約書と労働条件通知書の違い
- 1.1.雇用契約書とは
- 1.2.労働条件通知書とは
- 1.3.雇用契約書と労働条件通知書の違いまとめ
- 2.雇用契約書と労働条件通知書は兼用できる?
- 3.労働条件通知書兼雇用契約書の記載内容
- 4.2024年度の法改正に伴う変更点
- 4.1.就業場所・業務の変更の範囲の明示
- 4.2.更新上限の有無と内容の明示
- 4.3.無期転換申込機会・無期転換後の労働条件の明示
- 5.労働条件の通知方法
- 6.まとめ
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雇用契約書と労働条件通知書の違い
雇用契約書と労働条件通知書は、どちらも労働関係において重要な文書ですが、その目的と役割には違いがあります。
雇用契約書は、会社と従業員の間で交わされる正式な契約書であり、雇用条件の合意を明文化するためのものです。
一方、労働条件通知書は、労働基準法に基づいて会社が従業員に対して労働条件を明示するための文書であり、従業員が労働条件を正確に理解するために必要な情報が記載されています。
雇用契約書とは
雇用契約書とは、会社と従業員の間で締結される正式な契約書です。
この契約書には、雇用期間、賃金、勤務時間、休暇など、雇用に関する詳細な条件が記載されています。
雇用契約書は、雇用者と被雇用者の双方が合意した内容を明文化するものであり、トラブル防止のための重要な文書です。
これにより、企業と従業員の立場や責任が明確になり、働く上での安心感が生まれます。
関連記事:雇用契約書は必要か?交付方法や内容、作成時のポイントについても解説
労働条件通知書とは
労働条件通知書は、労働基準法に基づき、会社が従業員に対して労働条件を通知するための文書です。
これには、労働時間、賃金、休暇制度、退職に関する事項など、従業員が労働条件を正確に理解するために必要な情報が含まれています。
労働条件通知書は、従業員が安心して働くための基本的な権利を守る役割を果たします。
特に、新入社員や転職者にとっては、労働条件通知書を通じて就業条件や待遇が具体的に把握できるため、非常に重要な文書です。
雇用契約書と労働条件通知書の違いまとめ
以下に、雇用契約書と労働条件通知書の違いをまとめました。
雇用契約書 |
労働条件通知書 |
|
適用される法律 |
民法 |
労働基準法 パートタイム労働法 労働者派遣法 |
書面締結の必要性 |
任意 |
義務 |
合意の必要性 |
雇用者と労働者での合意が必要 |
雇用者側からの一方的な交付 |
関連記事:雇用に関連する法律と主なルール 違反した場合のリスクと罰則も解説
雇用契約書と労働条件通知書は兼用できる?
雇用契約書と労働条件通知書は、通常は別々の文書として作成されますが、兼用することも可能です。
雇用契約書は、会社と従業員が雇用に関する条件を明確にするために交わす契約書であり、労働条件通知書は労働基準法に基づいて労働条件を明示するための文書です。
これらを兼用することで、労働者が労働条件をより理解しやすくすることができます。
また、企業側も文書管理が簡素化されるという利点があります。
労働条件通知書兼雇用契約書を作成する際の注意点
- 法的要件の確認
労働基準法や関連法規に基づく要件を確認し、それらを満たすように注意しましょう。
法律に違反すると、企業に対する罰則や訴訟のリスクが発生する可能性があります。
- 文書の明確さと一貫性
文書の内容は明確で、一貫性を持たせることが重要です。
曖昧な表現や矛盾する記述があると、労働者との間で誤解やトラブルが生じる可能性があります。
具体的かつ分かりやすい言葉で記載するよう心掛けましょう。
- 労働者への説明と合意
労働条件通知書兼雇用契約書を作成した後は、労働者に対して内容を十分に説明し、納得してもらうことが重要です。
労働者が文書の内容を理解し、同意した上で署名を行うことで、トラブルを未然に防ぐことができます。
- 文書の保管と管理
労働条件通知書兼雇用契約書は、企業が適切に保管し、管理することが求められます。
労働者からの請求があった場合に迅速に提示できるよう、データベースやファイルシステムを整備しておくことが重要です。
関連記事:人材管理の方法は?手順やメリット、データベースの作成方法を解説
労働条件通知書兼雇用契約書の記載内容
労働条件通知書兼雇用契約書は、雇用契約と労働条件を一つの文書にまとめたもので、労働基準法に基づいて必要な項目が記載されています。
この文書を適切に作成することで、従業員と企業双方にとって明確で安心な労働環境を確保することができます。
以下に、労働条件通知書兼雇用契約書に記載すべき内容を解説します。
絶対的明示事項
絶対的明示事項とは、労働基準法により必ず記載しなければならない事項です。
これには以下の項目が含まれます。
- 労働契約の期間:契約の開始日と終了日、または契約が無期限である場合はその旨を記載します。
- 就業場所および従事する業務の内容:従業員が実際に働く場所と、その場所で行う業務の具体的な内容を明示します。
- 始業・終業の時刻、休憩時間、所定労働時間を超える労働の有無:労働時間の詳細や、残業の有無について記載します。
- 賃金の決定、計算、支払いの方法および賃金の締め切り・支払いの時期:賃金の計算方法や支払い方法、支払いのタイミングを具体的に記載します。
- 退職に関する事項(解雇の事由を含む):退職や解雇に関する条件や手続きについて明示します。
関連記事:採用管理システム(ATS)とは?基本機能や導入するメリット、選定のポイントを解説
相対的明示事項
相対的明示事項とは、法的には記載が義務付けられていないものの、労働契約において重要な事項です。
これには以下の項目が含まれます。
- 昇給に関する事項:昇給のタイミングや条件について記載します。
- 退職手当:退職時に支払われる手当の有無や計算方法について明示します。
- 臨時の賃金、最低賃金額に関する事項:ボーナスや一時金の支払い、最低賃金額に関する情報を記載します。
- 就業規則に定める事項:会社の就業規則に基づく事項を具体的に記載します。
- その他労働契約に関する重要事項:労働契約の履行において重要なその他の事項を明示します。
関連記事:契約書レビューとは?具体的な流れや確認すべきポイントをわかりやすく解説
2024年度の法改正に伴う変更点
2024年度の法改正により、労働契約に関するいくつかの重要な変更点が施行されます。
これにより、従業員の権利がさらに強化され、企業もこれに対応する必要があります。
以下に、具体的な変更点を解説します。
就業場所・業務の変更の範囲の明示
新しい法改正では、従業員の就業場所や業務内容の変更がある場合、その範囲を明示することが義務付けられました。
これにより、従業員は自分の業務範囲や就業場所についてより明確に把握することができます。
例えば、異動や部署変更が発生した際には、具体的な変更内容を従業員に通知し、その理解を得ることが求められます。
これにより、業務の進行がスムーズになり、従業員の不安軽減につながります。
関連記事:雇用保険の加入条件とは?加入するメリット・デメリットや企業への罰則も解説
更新上限の有無と内容の明示
契約更新に関する情報も新たに明示することが求められます。
特に、更新上限の有無やその内容については、従業員に対して事前に明確に伝えることが重要です。
これにより、従業員は自身の契約がどのように更新されるか、または更新されないかを事前に把握することができます。
例えば、契約が最大で何回更新される可能性があるのか、更新が行われる条件などを明示することで、従業員は将来の見通しを立てやすくなります。
無期転換申込機会・無期転換後の労働条件の明示
無期転換の申込機会や無期転換後の労働条件についても、明示することが求められます。
これにより、従業員は無期転換後の労働条件について、事前に把握することができます。
例えば、無期転換の申込が可能な時期や、その際の手続きについて説明し、無期転換後の労働条件(賃金、労働時間、業務内容など)についても詳細に明示することが重要です。
これにより、従業員は自身のキャリアプランを立てやすくなり、企業に対する信頼感も向上します。
以上のように、2024年度の法改正に伴い、労働条件に関する情報の明示が一層重要となります。
企業はこれらの変更点に適切に対応し、従業員との間で信頼関係を築くことが求められます。
適切な情報提供を行うことで、従業員の働きやすさが向上し、企業の健全な運営につながります。
関連記事:採用コストの相場はどのくらい?中途・新卒採用の平均コストや計算方法、コスト削減のポイントを解説
労働条件の通知方法
労働条件の通知方法には、いくつかの選択肢があります。
法的には書面での通知が求められていますが、電子書面での通知も認められるようになりました。
これにより、従業員が迅速かつ確実に労働条件を確認できる環境が整いつつあります。
まず、書面での通知方法ですが、これは従来から行われている方法であり、労働条件通知書を印刷し、従業員に手渡す形式です。
この方法は直接的で信頼性が高く、従業員も内容を確認しやすいという利点があります。
次に、電子書面での通知方法についてです。
電子メールや専用の社員ポータルサイトを通じて労働条件通知書を送信することが一般的です。
この方法は、従業員がいつでもどこでも労働条件を確認できるため、利便性が高いという特徴があります。
また、ペーパーレス化によるコスト削減や、迅速な情報共有が可能となります。
いずれの方法を選ぶにせよ、労働条件の通知は従業員の理解と合意を得るために非常に重要です。
通知内容が明確で分かりやすいこと、そして従業員が簡単にアクセスできる形式であることが求められます。
企業は、従業員との信頼関係を築くために、適切な通知方法を選択し、適時に労働条件を伝える努力を怠らないことが重要です。
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まとめ
雇用契約書と労働条件通知書は、それぞれ異なる役割を果たしています。
雇用契約書は雇用契約を明確にするための文書であり、労働条件通知書は労働条件を明示するための文書です。
特に、2024年度の法改正に伴い、労働条件の明示事項が追加されるため、企業はこれらの変更点に対応する必要があります。
従業員の安心・安全な労働環境を提供するために、企業として適切な対応を行いましょう。
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