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IPO準備企業が転職者を中途採用する際に気を付けるべきこと

IPO準備を進めていく中で、スムーズな株式上場のために優秀な人材を確保したい場面が多くあります。
しかし、転職者の応募が全く来なかったり、いざ入社してもミスマッチにより、早期退職してしまうケースも多いです。

そのため、余計な時間と経費を使ってしまい、IPO準備企業の予算を圧迫してしまう可能性があります。
転職者の中途採用は、IPO準備期間に適した人材像の選定、ミスマッチが起こらないような企業紹介が、重要なポイントです。

今回は「IPO準備企業が転職者を確保するため」に、アピールするべきことや面接で見るべきポイントを中心に解説し、最後に本採用する際の注意点についても紹介していきます。

【参考】より深く知るための『オススメ』コラム

👉IPO準備にはなぜ反社チェック(コンプライアンスチェック)が必要なのか?上場基準の反社会的勢力排除の体制づくりについて解説

👉反社チェック(コンプライアンスチェック)を無料で行う方法

👉「採用」時のバックグラウンドチェックとは 必要性とメリット・デメリットについて解説

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目次[非表示]

  1. 1.IPO準備企業が転職者に対してアピールすべきこと
    1. 1.1.成長性の高さ
    2. 1.2.独自の技術など強みを有する企業
    3. 1.3.IPOの申請期(N期)までどのくらいか
  2. 2.IPO準備企業が転職者を中途採用する際に押さえておきたいこと
    1. 2.1.即戦力で働けるスキルやコミュニケーション能力があるか
    2. 2.2.柔軟な考え方ができ、行動力があるか
    3. 2.3.労働環境や雇用条件に同意してくれるか
    4. 2.4.経営者や社風へのミスマッチがないか
  3. 3.IPO準備企業が人材採用の際行うべき反社チェックとは
  4. 4.まとめ

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IPO準備企業が転職者に対してアピールすべきこと

IPO準備企業が転職者に対してアピールすべきこと

IPO準備企業は、「株式を証券取引所に上場させることが目的」ですので、今後大きな成長をする可能性を秘めています。
成長率が早いほど重要なポジションにつけることなどから、数々の実績を積んできた優秀なビジネスパーソンや、今後のキャリアを伸ばしていきたい転職者が注目する対象となりやすいです。

大企業や他のIPO準備企業へ、優秀な人材が流入しないように、IPO準備企業の魅力、成長性をアピールしていくことが非常に重要となってきます。

成長性の高さ

IPO準備企業に転職したいと思う理由の1つとして「成長性の高さ」があります。
労働環境が整った大企業で働くビジネスパーソンが、IPO準備企業への転職を検討している理由として、「自分自身のキャリアを成長させたい」「現状の年収を上回りたい」などがあります。

そのため、大きな裁量権をもって仕事が出来ることや、自分自身のスキルが活かせるような職につくことをメインに考えている場合が多いです。
IPO準備企業に転職を検討している人に向けて、会社の認知度や業績、社内環境の整備などが目に見えて改善、成長していく姿を見せていくことが重要となってきます。

経営陣や社員の経歴、現在空いているポストやこれから新設する部署などをホームページに載せるのも、成長性の高さをアピールするための1つの方法です。

関連記事:IPO準備企業が整備すべき人事・労務とは 懸念点についても解説

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独自の技術など強みを有する企業

IPO準備企業は、独自の技術など他社と差別化できる強みを有していることが多いです。
そのため、市場競争に巻き込まれづらく、大きな成長が見込まれることから、企業は事業拡大に向けた資金調達のために、IPO準備を行っています。

IPO準備企業へ転職を希望する人は、企業のアピールポイントである技術や強みが、社会にどのように貢献するかを見ていることが多いため、会社全体のビジョンが判断材料となります。
そのため、企業が売りにしている技術や商品は全面にアピールをしておくべきです。

技術の場合「特許の取得」、技術ではない場合「会社のビジョン」を採用サイトやSNSにしっかりと記載しておきましょう。

IPOの申請期(N期)までどのくらいか

IPO準備企業は日本でも年間100〜200社しかない珍しい企業です。
そのため、株式上場までの流れを表すN期の進み具合も、転職者にとっては重要な情報です。

監査受入が可能になる人材確保など、必要に応じた管理体制の構築

直前々期以前(準備期間 N-3)
上場会社と同様に管理体制の整備、運用
直前々期(N-2)
上場会社と同様に管理体制の整備、運用
直前期(N-1)
上場会社と同様に管理体制の運用を期首から開始
申請期(N)
上場会社として管理体制の運用を継続し、株主からの要望にも応えること

引用:日本取引所グループ「新規上場基本情報」

直前々期以前〜直前々期の期間は「上場会社としての準備、構築」がメインとなります。そのため、「IPO準備の経験がある人」「IPO準備の初期段階から経験を積みたい人」などにアピールをする必要があります。

直前期~申請期の期間は「上場会社として運用を継続、改善していくこと」がメインとなります。そのため、「資金調達などの経験がある財務・経理担当者」「資金調達の経験を積みたい人」などにアピールする必要があります。

N期の進み具合に合った転職者に、企業の魅力をアピールするようにしましょう。

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IPO準備企業が転職者を中途採用する際に押さえておきたいこと

IPO準備企業が転職者を中途採用する際に押さえておきたいこと

中途採用で優秀な転職者が入ってきても、ミスマッチが原因で早期退職したり、想定以下のスキル、力しか発揮できない場合、企業にとっては大きな損失となります。
そのため、IPO準備企業の環境、雰囲気にあった人材を採用することが、企業にとって重要となります。

特に経理、財務などの管理部門、「CHRO:最高人事責任者」などのCxO※のスキルを持っている人材は、IPO準備企業にとって貴重な存在です。

IPO準備を円滑に進めるためにも、極力ミスマッチが無いような中途採用を行っていきましょう。

※CxO(Chift x Officer):「C:組織の責任者」「O:執行役」の頭文字をとった造語で、グローバル化を進める企業、外資系企業で使われる言葉。xは「代入できる部分」であり、「CEO:最高経営責任者」「CFO:最高財務責任者」と職務が異なる。

参考:IPO準備企業の経理に求められる役割とは 具体的に行う業務についても解説

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即戦力で働けるスキルやコミュニケーション能力があるか

IPO準備企業は一般企業よりも「事業規模の拡大」「新規事業の立ち上げ」をメインに活動しているため、基本的に即戦力の人材を募集しています。
そのため、「教育スケジュールに沿って徐々に仕事を覚えていく」という思考を持っている人には向いていない可能性が高いです。

さらに、IPO準備企業の社員同士はもちろん、さまざまな企業、役所などと連携して、IPOに向けて動く必要があります。
他人と仕事をすることに苦手意識があったり、1人で黙々と仕事をしたい人は、コミュニケーション面で苦労するため、向いていない可能性があります。

「即戦力で働けるスキルは身についているのか?」「コミュニケーションを活かした仕事をしてきたか?」という観点で、中途採用を進めていくと、ミスマッチを防ぐことができます。

柔軟な考え方ができ、行動力があるか

IPO準備を経験している転職者は非常に少なく、基本的に未経験で業務に取り掛かることが多くなります。
そのため、即戦力としてのスキルやコミュニケーション能力はあるものの、「ルーチンワークを好む人」や、「環境の変化を嫌う人」は、IPO準備企業にとってミスマッチとなります。

逆に、困難にぶつかっても柔軟な意見を提案してくれる人や、実行までもっていく行動力のある転職者は、IPO準備企業にとって貴重な存在です。

中途採用では、志望動機や今後のビジョンを転職者に聞き、柔軟な考えや行動力を持ち合わせているかを判断するようにしましょう。
また、上記に当てはまる転職者に出会った場合は、会社の成長性、昇進、昇給のチャンスを中心に、企業の魅力をアピールしていきましょう。

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労働環境や雇用条件に同意してくれるか

IPO準備企業の多くは「株式を証券取引所に上場させて、資金調達することで事業を拡大すること」を目的に活動しており、新興企業(ベンチャー企業)であることが多いです。
そのため、就業規則が明確に定まっておらず、労働環境や雇用環境が安定していないことがあります。

転職者には、労働時間やベース給料が不安定であること、事業が全く成長しなかったり、他社にM&AされてしまってIPOできない場合のリスクなどを、入社前に納得してもらう必要があります。

IPOを達成した際のストックオプション※によるアップサイドや昇給の決まった規則がある場合は、労働条件を双方で確認する際に説明して、転職者へアピールするのも1つの手です。

※ストックオプション(新株予約権の1種):報酬または賞与として、あらかじめ決まった額の自社株を役員や社員に与えるもしくは一定の期間購入できる権利を与えること。

関連記事:IPO準備企業が活用すべきストックオプションとは メリット・デメリットを解説

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経営者や社風へのミスマッチがないか

IPO準備企業は、企業理念や経営者の考え方が強く反映されていることが多いです。そのため、理念に共感した社員が集まった会社であることが多く、独特の社風や雰囲気となっています。

経営者や社風が合わないと感じる転職者は、「理想と現実のギャップが生じた」「スキルを思うように発揮できない」などの理由から、早期退職してしまう可能性があります。
ミスマッチを防ぐためにも、入社前の会社の雰囲気や経営陣の方針を、しっかりと転職者に説明するようにしましょう。

実際の雰囲気や方針と異なる情報を伝えてしまうと、転職者にとってギャップとなり、早期退職に繋がってしまうので、正確な情報を伝えることをおすすめします。

参考:採用のミスマッチを防ぐリファレンスチェックとは?メリット・デメリットについて解説

  採用のミスマッチを防ぐリファレンスチェックとは? メリット・デメリットについて解説 外資系企業でよく行われている「リファレンスチェック」をご存じでしょうか? 従来の採用では、人事担当者が面接や履歴書、職務経歴書のみで採用候補者のことを判断しなければなりませんでした。 採用担当者にとって、入社後のミスマッチで早期離職してしまったり、即戦力と見込んで採用した人材が中々活躍してくれなかったりと採用は常にリスクが隣り合わせです。 「リファレンスチェック」はこういった悩みを解決する手伝いになるサービスです。 今回は採用のミスマッチを防ぐリファレンスチェックについて、企業側と求職者側のメリット・デメリットを解説していきます。 RISK EYES


IPO準備企業が人材採用の際行うべき反社チェックとは

反社会的勢力(暴力団など)と関係を持っている取引先、社員、株主を企業経営から排除するために、取引前にチェックすることを「反社チェック」と言います。
2007年法務省が「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針について」を発表しました。

反社会的勢力は、企業で働く従業員を標的として不当要求を行ったり、企業そのものを乗っ取ろうとしたりするなど、最終的には、従業員や株主を含めた企業自身に多大な被害を生じさせるものであることから、反社会的勢力との関係遮断は、企業防衛の観点からも必要不可欠な要請である。


引用:法務省「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針について」


さらに、2011年には「暴力団排除条例」が全都道府県で施行されたため、企業は入社してくる従業員に「反社チェック」を行い、反社排除に努めなければなりません。

反社会的勢力の人数は年々減少傾向にあり2021年時点で暴力団構成員1万3300人、準構成員は1万2700人の計2万5900人となっています。
ただ、比例するかのように警察のデータベースに載らない準暴力団や半グレなどの集団が増えています。

参考:警察庁「組織犯罪対策に関する統計」

さらに、暴力団員の匿名化、フロント企業の判別が年々難しくなってきており、知らないうちに「反社会的勢力」と関わっているケースが多いです。
もし中途採用した転職者が「反社会的勢力」との繋がりがあるにも関わらず、入社させてしまった場合、企業の信頼度は大きく下がってしまいます。

反社チェックを効率的に行うことができる反社チェックツールを利用した場合でも、コストとしては1件数百円から始めることができます。
転職者が入社する前に、反社会的勢力と企業が繋がってしまうリスクを未然に防ぐことができるので、費用対効果は非常に高いです。

反社会的勢力と繋がりがある転職者を入社させないためにも、反社チェック体制をしっかりと整えましょう。

関連記事:【上場企業の事例つき】反社・コンプライアンスチェックとは?

  【初めての方向け】反社チェック・コンプライアンスチェックとは?やり方、業務フローまとめ 反社排除の対象者や、実際の『反社チェック』『コンプライアンスチェック』の仕方について、上場企業である弊社の事例を交えながら、分かりやすく解説します。初めての反社チェックには本書を一読ください。 RISK EYES


まとめ

IPO準備企業が転職者に対してアピールすることを中心に解説してきました。
企業が希望している転職者と出会うために、さまざまなアピールや人材確保の方法を実行する必要がありますが、企業成長のために必要不可欠だということがご理解いただけたと思います。

転職者とのミスマッチを防ぐためにも、企業の推進したい部分をしっかりとアピールしていきましょう。

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  「採用」時のバックグラウンドチェックとは 必要性とメリット・デメリットについて解説 企業規模を拡大していく中で、「採用」は切っても切り離せないものです。 最近では採用者の履歴書や職務経歴書、面接だけではわからない部分は「リファレンスチェック」や「バックグラウンドチェック」を行うことによって補う企業も増えています。 今回は反社チェックとも関係がある「採用」時のバックグラウンドチェックについて解説していきます。 RISK EYES
  IPO準備にはなぜ反社チェック(コンプライアンスチェック)が必要なのか? 反社会的勢力排除の体制づくりについて解説 IPO準備企業にとって落とし穴になりかねないのが「反社チェック」です。近年は暴力団排除条例などで暴力団構成員は減少傾向にありますが、その分だけ目立たないようにうまく社会に溶け込んでいます。 例えば、まったく関わりがないと思われるような企業も、裏では反社会的勢力と密接な関係だったり、社員の中に紛れていたりもします。 そうした企業と取引などがあると、上場審査の際に引っかかって、それまでの準備が水の泡になってしまうことがあります。 そのため、IPO準備企業は、必ず反社チェックを行わなければなりません。今回はその方法やポイントなどを紹介いたします。 RISK EYES


佐々木 雄輝
佐々木 雄輝
2022年にソーシャルワイヤー株式会社に入社。 反社チェックサービス『RISK EYES』のマーケティング施策の企画立案を担当。
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