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密接交際者の基準とリスク 反社会的勢力の関係者にならないために知っておくべきこと

反社会的勢力である全国の暴力団は1991年の9万1000人から大幅に減少しています。
警察庁の2021年時点での発表によると、暴力団構成員は1万3300人で準構成員は1万2700人、合わせて2万5900人まで数を減らしました。

  組織犯罪対策に関する統計|警察庁Webサイト 警察庁


20年前から比べて3分の1以下に数を減らしている一方で、団員の匿名化やフロント企業の経済活動の巧妙化など、暴力団排除条例(以下、暴排条例)の弊害として、暴力団かどうかの判別が付きづらくなってきているのも現状です。

また、警察が把握できていない半グレといわれる準暴力団の検挙数も年々増加していますが、反社会的勢力の実態が見えない中、どうやって企業や個人が反社会的勢力を回避していくかは未だ大きな課題となっています。

今回は絶えず巧妙化している反社会的勢力の「密接交際者」にならないためのポイントを紹介します。


※構成員(組員)…暴力団の組織に所属する者

※準構成員…暴力団と関係を持ち、その威力を背景に暴力的不法行為等を行う者、または資金や武器を供給するなどして暴力団の維持・運営に協力・関与する者

※準暴力団…暴走族などの元構成員を中心とする、暴力的な不法行為を繰り返している反社会的集団


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目次[非表示]

  1. 1.反社会的勢力・暴力団の密接交際者とは
    1. 1.1.利益供与関係にある企業や個人
    2. 1.2.協力体制にある企業や個人
    3. 1.3.共生状態にある企業や個人
  2. 2.反社会的勢力の密接交際者となってしまった場合のリスク
    1. 2.1.警察の反社会的勢力のデータベースに登録される
    2. 2.2.銀行口座を作れない
    3. 2.3.クレジットカードが作れない
    4. 2.4.ローンを組めない
    5. 2.5.不動産の売買や賃貸ができない
    6. 2.6.就職、転職が厳しくなる
  3. 3.反社会的勢力の密接交際者と認定されないようにするべきこと
    1. 3.1.警察への相談
    2. 3.2.各都道府県に設置されている暴力追放運動推進センターへの相談
    3. 3.3.調査会社へ依頼して証拠集め
    4. 3.4.反社チェックツールで公知情報を確認
  4. 4.まとめ

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反社会的勢力・暴力団の密接交際者とは

反社会的勢力・暴力団の密接交際者とは

密接交際者とは暴力団との間に密接な関係を持っている者や社会的に是認しがたい関係を結んでいる者をいいます。
これだけだと正直わかりづらいですよね。

では具体的に密接交際者とはどういう人を想像するでしょうか?
「世間話すらNG」と思っていたり、「昔からの知り合いで遊びにいくは問題ないだろう」と安易に考えている方もいらっしゃることでしょう。

これには警察が反社との密接交際者だと認める条件が明確にあります。
警察が密接交際者と判断する基準は大きく分けて3つです。

  1. 利益供与関係にある企業や個人
  2. 協力体制にある企業や個人
  3. 共生状態にある企業や個人

上記がどういった状態のことをいうのか?
1つ1つについて詳しく見ていきましょう。

利益供与関係にある企業や個人


ここでいう利益供与とは金品その他財産上の利益を与えることをいいます。
例えば、事業者が商品を販売し、相手方が適正料金を支払うような場合でも該当します。

ただし、暴排条例で規制される利益供与とは暴力団の威力を利用することを対価として受け取るときや、暴力団の活動を助長し、運営の資金となることを知って行われる場合に限られます。

重要なのは反社会的勢力への資金源の根絶のため、利益が反社へ渡っているかどうかで密接交際者かどうか判断されます。

最近では一般人にしか見えない準構成員やフロント企業と付き合ってしまい、巻き込まれる可能性も否定できません。

その場合は疑惑を持った時点で警察に相談しておくと、密接交際者の認定をされないので早い段階から反社を排除する姿勢を示すことが大事です。

協力体制にある企業や個人


協力体制とはどういったことをいうのか?
利益供与がなかったとしても反社に協力的だと判断される場合は密接交際者となります。

具体的には

  • 自分名義の銀行口座を反社会的勢力に渡した
  • 自分名義の土地や建物を購入し、反社会的勢力へ貸した
  • 反社会的勢力だと知りながらパーティー会場を貸した
  • 反社会的勢力だと知りながら車のレンタルを受け付けた

上記のような場合は反社の活動を補佐しているので、警察からは協力体制であると認定されてしまいます。
警察の目的は反社の活動を封じ込めることなので、反社の活動を補佐する行為も取り締まりの対象となります。

共生状態にある企業や個人

共生状態とは持ちつ持たれつの関係をいいます。
反社会的勢力と知っていて、共生状態になってしまう場合は意外と多いようです。
例えばどういった状況のことをいうのでしょうか?

  • 反社会的勢力の事務所とわかっていながら、注文を受けている
  • 反社会的勢力にマンションを貸しているが、賃貸料を通常の3倍払ってくれるのでそのまま貸している
  • 反社会的勢力に関係する企業と取引しているが、長い付き合いで問題が起きていないのでそのままにしている

上記のような場合を放置していると、警察から密接交際者と認定されてしまいます。
警察の反社情報は申請すれば照会できるので、密接交際者と認定された時点でリスクしか残らないのです。

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反社会的勢力の密接交際者となってしまった場合のリスク

反社会的勢力の密接交際者となってしまった場合のリスク

密接交際者と警察に認定された場合、どういったリスクを負わなければならなくなるのでしょうか?

  • 警察の反社会的勢力のデータベースに登録される
  • 銀行口座を作れない
  • クレジットカードが作れない
  • ローンを組めない
  • 不動産の売買や賃貸ができない
  • 就職、転職が厳しくなる

上記のような主に金融に関わってくる部分が制限されるようになります。
これは反社への資金流入を防ぎ、活動を封じ込めるのが目的なので妥当なリスクですね。

具体的に1つずつ見ていきましょう。

警察の反社会的勢力のデータベースに登録される

個人・企業に限らず反社会的勢力と密接交際者だと認定されると、警察のデータベースに登録されてしまいます。

このデータベースは一度登録されると消すことが難しく、反社との関係を絶ったとしても経過観察のために数年データが消えません。

登録される前に警察から勧告される場合もありますが、自分で気づいた段階で警察へ相談していれば登録を免れられる場合もあります。
どちらにせよ相手が反社と知っていながら付き合うのはリスクしかありません。

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銀行口座を作れない

銀行では口座作成時に契約書で反社ではないかの同意を必ず求められます。
これは金融庁の指針にそっており、反社会的勢力に属していると判断されたとき、勧告せず契約を解除できると条項を盛り込んでいます。

したがって密接交際者と認定される前に作成した銀行口座についても解除される恐れがあります。
新規での銀行口座を作れないため、また、今持っているものまで使えなくなれば生活に支障が起きてしまいますし、企業の場合であれば当然、事業継続は難しくなってしまいます。

クレジットカードが作れない

クレジットカードについても銀行と同じく、金融庁の指針に従って新規の作成ができなかったり、現在の契約を解除される恐れがあります。
多くの信販会社では契約時に事前に身元を調べたりするので、銀行以上に取引に慎重になっているようです。

ローンを組めない

ローンは金融商品なので、ローンを扱う銀行や信販会社、保証会社のすべてが金融庁の指針に沿って運営されています。
したがって密接交際者と認定された時点でローンを組むことはできません。

主に高額商品である自動車や携帯電話の分割払い、家電商品などでローンを組まれることが想定されますが、密接交際者は全て不可能になります。

不動産の売買や賃貸ができない

一昔前には不動産業界は元々反社会的勢力とかかわりが多く、地上げ屋行為も横行していました。
しかし、現在では暴力団対策法や暴排条例の施行に伴い、反社の排除努力が推進されています。

不当な値上げや取引の健全化のために反社の排除は急務であり、ほとんどの不動産会社が暴排条例に基づいた誓約書を導入しています。
不動産売買や賃貸は反社の資金源になったり、事務所として使われる恐れがあるので業界としても注意が必要です。

就職、転職が厳しくなる

自分自身が密接交際者の場合や所属していた企業が密接交際者と認定された場合、どちらも就職が難しくなります。
さらに、現在では多くの企業が中途採用を行う過程でリファレンスチェックを行っており、併せて反社チェックが行われることが多いです。

自分自身が反社会的勢力の密接交際者なら言わずもがなですが、所属していた企業が密接交際者と認定されていると「疑わしい」と判断され採用されなくなる恐れがあります。

個人のみで対応できないことはあるかもしれませんが、自分自身が反社を寄せ付けないと意志を強く持って生活していくしかありません。

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反社会的勢力の密接交際者と認定されないようにするべきこと

反社会的勢力の密接交際者と認定されないようにするべきこと

社会的勢力の密接交際者にならないために、まずは行動を起こしてみることが大事です。
暴力団に知識や専門組織の助けなしに立ち向かうことは止めたほうが賢明です。
ではどういう行動を起こせばよいのでしょうか?

  • 警察への相談
  • 都道府県に設置されている暴力追放運動推進センターへの相談
  • 調査会社へ依頼して証拠集め
  • 反社チェックツールで公知情報を確認

上記のような行動が取れます。
具体的な内容について迫っていきます。

警察への相談

もし今付き合いがある人に反社の疑いを持ったときは警察に相談しましょう。
各都道府県の警察では反社に関する相談窓口を設けており、疑わしい時点での相談で密接交際者になることを防ぐことができます。

参考:警視庁「都道府県警察本部リンク」

  都道府県警察本部リンク|警察庁Webサイト 警察庁


各都道府県に設置されている暴力追放運動推進センターへの相談

暴力追放運動推進センターは反社会的勢力の不法行為を阻止したり、被害を救済することを目的としている公益財団法人です。

反社に関する様々な相談を受け付けており、具体的な対処法を伝授してもらえるので、なにかあったときに相談してみましょう。

参考:全国暴力団追放運動推進センター

  暴追センターとは | 全国暴力追放運動推進センター 全国暴力追放運動推進センター


調査会社へ依頼して証拠集め

個人で反社の疑惑がある人を調査するのは恐怖が伴います。
また、組織的に活動しているので一歩間違えれば身に危険が迫ることも考えられます。

相手に知られずに調査や証拠集めを行いたいときには、探偵事務所などの調査機関に相談するのも1つの手です。
個人情報や依頼内容が漏れないように配慮してくれるので、「警察まで相談したくないけど怪しい」と思ったときには一度相談してみるのもよいでしょう。

反社チェックツールで公知情報を確認

新聞記事検索サービスやインターネット検索で相手が反社かどうかを検索してみるとヒットする場合があります。その他にも、専門サービスである反社チェック用のツールだと情報が精査されていることが多いため、効率的に探すことができるでしょう。

企業活動の最中、取引先に疑惑がでた場合には早急に反社チェックツールを導入するのも1つの手です。

営利活動には関係ない時間的コストを取られてしまうぐらいなら、外部ツールを導入したほうが早さも正確さも段違いです。

サービス提供会社によって、できることも限られてくるので各社の特長を一度調べてみてはいかがでしょうか。自社の社内ツールや反社チェックのやり方に合うものを選ぶこともとても大事です。

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まとめ

これまで密接交際者の基準とリスクについて紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
反社会的勢力の関係者にならないために知っておくべきことについて理解していただけたかと思います。

改めて要点をまとめたので、参考にしてみてください。

  • 密接交際者とは利益供与関係にある者
  • 密接交際者とは協力体制にある者
  • 密接交際者とは共生関係にある者
  • 密接交際者になると金融面で多大なリスクを負うことになる
  • 密接交際者にならないために疑問に思った時点で専門機関に相談が大事

企業としてだけでなく、改めて各個人が反社会的勢力と付き合わないという意志を強く持つことがとても大事です。
自分だけでなく身内や仲間にも迷惑をかけてしまうので、情報を知識にして普段の生活の場にも是非、活かしてください。

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RISK EYES編集部
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反社チェックツール「RISK EYES」のブログ編集部です。反社関連の情報だけでなく、与信やコンプライアンス全般、IPO準備などについても執筆しています。
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